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「素材から街なみへ」

集合住宅というのは、住環境を構成する様々な要素の集合だと考えています。多くの場合、住戸という単位がその要素として捉えられると思いますが、今回の計画も住戸をテトリスのピースのように考えて全体を構成していたのですが、もっとフラクタルに細かい目線で考えたとき、壁を構成するコンクリートブロックの「デンクス」が最小のユニットであると、考えていました。言い換えれば、ブロックのピースひとつひとつが壁を構成し、壁が3.6mx4.2mの升目を、升目がテトリス型を作り、このテトリス型の住戸の現れが外観の凸凹のボリュームを形成し、街なみへと連続します。つまり、「デンクス/3.6mx4.2m升目/テトリス型住戸/街なみ的ボリューム」というように、素材から街なみへと小さなスケールから大きなそれへと各スケールの要素を集合させてできているのがこの建築の特徴である、と言えるのではないかと考えています。また、そのときに、最小のピースであるコンクリートブロック(=デンクス)が、住宅街で塀として使われるあふれた材料であることで、街と親和するのではないかと考えています。

所在 地|愛知県名古屋市
主要用途|集合住宅

設計監理|吉村昭範、吉村真基
構造設計|中野稔久/中野建築構造設計

施  工|アーキッシュギャラリー

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