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街を歩いていると、ふと道路から見える庭の緑を心地よく感じたりすることがあります。それは偶然ではなく、通りを歩く人にとっての感じ方も、家と道路の境界線の作り方によって、大きく左右されるのではないかと思います。

言うまでもなく、家はそこに暮らす人たちが落ち着いて日常を過ごせることがとても重要です。街の喧騒から切り離された静かな空間こそが住宅の理想だと考える人も少なくないでしょう。一般的には、そのために隣家や道路側からの人の視線を遮るための壁や柵を建てたりすることも多いと思います。ここではそれ以外の方法で家と街の境界を作っている事例について考えたいと思います。

 

[case1]

中庭で囲う

「Sunlight of Cam」では、道路側に対して窓のないファサードを作りましたが、 6つある住戸にはそれぞれ壁や半透明なガラスで囲まれた中庭が配置され、住まい手は外からの明るい光を得ながら、外からの視線を感じずに暮らすことができます。

一方で、敷地の隣に豊かな緑地があったり、高台の傾斜地に建つので抜群の眺望を得られるような場合には、誰もが大きく窓を開けたいと思うでしょう。

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[Case2]

隣接する緑地を借景

[Y HOUSE」では敷地の隣に豊かな生産緑地があったので、プライバシーを気にせず大きな窓を開けました。また、吹き抜けを用いることで、室内のいろんな場所から隣地の緑を見ることができます。

このような敷地条件なら問題ありませんが、多くの場合、大きく窓を開ける場合には、外からの視線を何らかの方法で遮ることを考えなくてはなりません。

これらのバランスをどうすべきかが、難しいところです。プライバシーを重視して、道路に面してまったく窓のない壁や、家の4周に高い擁壁を建てた構えなど、実際にそのような家を見られた方もいると思います。これは住み手自身の生活を外から見られないようにする、という点からすると有効な方法かもしれませんが、実際に道路側に窓のない家がずらっと建ち並んだ街があったとすると、これはかなり不気味な街になってしまうのではないかと思います。

かといって、道路に面して大きな窓を開けるのは、勇気が必要なことのようにも思います。

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[Case3]

土間で公園の緑と中庭をつなげる

「尾張旭の住宅」は、敷地の前面に公園がある立地でしたが、道路側に窓を開けるところは限定して、窓を大きく開けた部分はエントランスと土間を配置し、土間と中庭を繋げることで、公園の緑を中庭からも見えるような構成にしました。こうすることで家の外からの視線を限定しつつ、公園側に開いた家となりました。

じっくり考えてみると、単に塀や柵を作るのでなく、閉じつつ開いた家を作るためには、他にもいろんな方法が考えられると思います。